2013年2月20日水曜日

開業届を出していますか?

青色申告の相談コーナーで、最初に聞かれたのが「開業届を出していますか?」。開業届を出していないフリーランサーがよくいるとのこと。不景気の影響もあって、やむなくフリーになった人が増えているそうです。

「フリーランスになったけど、何もしていない」という後輩や元同僚と話をする機会があり、雇用保険(失業手当)も開業届もわからないから何もしていないという声を聞きました。せっかく何年も雇用保険を払っていたのに、会社から「フリーランスとして契約して下さい」と突然言われ、アルバイトのような立場で働き続けている知人もいます。

会社員の時は会社に年末調整をやってもらっていましたが、フリーランスや、会社員でも会社以外からの収入がある人は確定申告をします。収入を申告して、次の年の税金(所得税、住民税、健康保険料)の金額が決まります。毎年2月15日から3月15日の間に税務署に確定申告書を記入して提出します。「申告」と「納税」は必ずしなければならないだけでなく、青色申告にすると税金が安くなってお得です。

確定申告で収入を申告する時に、青色申告で申告すると65万円控除が受けられます。儲かっている程、税金は高く設定されますが、青色申告にすると収入からかかった経費をマイナスした金額を所得として申告することになります。

このメリットを使うには、
1 開業届と青色申告承認請求書を出す
2 正規の帳簿(複式帳簿と決算書)をつける
3 青色申告で確定申告をする

ちょっと難しそうに聞こえますが、以外と簡単です。


1 開業届と青色申告承認請求書を出す
=3枚の書類を税務署と都道府県の税務事務所に持って行きます。
PDFの書類をダウンロードしてから、記入、コピーをとってそれぞれ提出します。原本とコピー両方にスタンプを押してもらって、コピーの方を自分の控えにします。

「個人事業の開廃業届出書」
国税庁のHPから「個人事業の開業・廃業等届出書(PDFファイル/265KB)」をダウンロードできます。事業開始から1ヶ月以内に提出することになっていますが、提出の時事情を話してみて下さい。

所得税の青色申告承認申請」
こちらも、国税庁のHPから「所得税の青色申告承認申請書(PDFファイル/151KB)」をダウンロードできます。

この2枚は管轄の税務署に提出します。

「事業開始等申告書(個人事業税)」
都道府県によって違います。東京都の場合、東京都主税局のHPから事業開始(廃止)等申告書」をダウンロードして記入し、都道府県の税事務所に提出します。他の2枚とは別の役所に持って行くので気をつけてください。

2 正規の帳簿(複式帳簿と決算書)をつける

お金の動きの記録です。お小遣い帳のような「いつ、何を、いくらで」だけでなく、「いつ、何を、いくらで、どうやって支払ったか」を記録します。パソコンの会計ソフトを使えば簡単です。日々の取引をコツコツ入力すれば、青色申告に必要な決算書(貸借対照表と損益計算書)も、減価償却の計算も自動で計算してくれます。

私はMacを使っているので、RingoKeiriTienというフリーウェアを使っています。簿記の知識がないとちょっと辛いかもしれませんが、デザイナーやウェブクリエイターなど職種によっては取引パターンが少ないので自分に必要な仕訳さえわかれば簡単です。

3 青色申告で確定申告をする


税務署から用紙が送られてきますが、オンラインの確定申告書等作成コーナーで作成すると家で簡単に青色申告から確定申告まで書類がつくれます。計算も自動です。出来上がったら、郵送か所轄の提出場所へ持って行き提出します。

初めての確定申告で心配していた時に、知り合いの事務所の社長さんが一言。「大丈夫、間違ってたら税務署の人が教えてくれるから」悪いことしてなければ心配する必要ないです。提出場所に併設されている相談・作成コーナーの青色申告会の方々が親切に教えてくれました。